飲食店経営では、「美味い物」を「きちんとしたサービス」で提供していれば、お客様が入り、売上があがり、儲かるだろう!と思う方も多いと思います。また、「飲食店は日銭が入るから、資金管理が楽だよね!」などと言われることもあります。しかし、どんぶり勘定で儲かるほど甘い世界ではありません。

ここでは飲食店が長く経営を続けるための数値管理についてお話します。

 

気がつけば火の車。日銭商売の飲食店経営の難しさ

飲食店は現金商売です。毎日現金が入り、ついつい気が大きくなりがちです。そのため不要なものを購入してしまったり、大盤振る舞いをしがちになる経営者が多くいます。

しかし、日銭は入りますが、逆の言い方をすれば、まとまったお金は入ってきません。そして、支払いは月末にまとめて払います。税金に関しては1年分をまとめての払うこととなります。つまり、きちんと現状を把握しながら経営をしなくては、あとから苦しむことになるのです。

「目の前に小銭はあるのに、月末になると苦しい」というのはよく聞く話。そしてそれが積もりに積もって、閉店という望まない結果につながる店舗が多いのです。「そうはならないようにする」という人も多いのですが、この感覚を身につけるのはなかなか難しいもの。特に脱サラと言われる月給もらっていた人たちや、飲食店をやっていた人でも料理担当で、あまり現金に触れなかった人たちの多くが陥ってしまう飲食店の罠と言えるでしょう。

 

毎日、利益がいくら残っているかを把握することが大切

電卓さえあれば、5分でその日の収支を計算できる

飲食店経営では、固定支出(家賃や光熱費など毎月ほとんど変わらない金額の支出)に関しては意識することなく運営し、FL管理(F:食材原価率・L:人件費率)を徹底することによって、日々の利益を明確にしていきます。毎日、日銭が入金されて現金が手元に残りますが、その現金の内、いくらが利益なのか?を把握する必要があるのです。

一見売上や現金があっても、今日はマイナス収支だったなどということもあります。毎日現状を把握することより、はじめて日銭商売を成り立たせることができるのです。

この感覚は、お店を2年3年と経営していれば、自然とわかる数字です。しかし、はじめてオーナーになったという人は、この数値感覚がありません。そのため毎日日銭が入ってくることに気をよくし、使いすぎてしまう傾向がありますので注意が必要なのです。

例えば千串屋では、加盟店様に日計表という名目で管理表を提供し、簡単に今日の利益を計算できるシステムを提供しています。レジ精算時に電卓さえあれば5分で計算できます。多忙な店舗の運営の中での作業。これくらい気軽なシステムでなければ続きません。日々の積み重ねが利益確保の着実な道。毎日の収支を把握するように努めてください。

 

POSレジを導入し、現状を正しく把握する

POSレジを導入し、現状を正しく把握する

単純な売上利益管理だけでなく、客単価やFD比率、どの商品が何個売れたか?などをすべて把握できなければなりません。そのためには、POSレジの導入が必要でしょう。最近は、安価にPOSレジを導入できるようになり、個人店でも使用できるようになりました。

FD比率が崩れたお店は、飲食店として成り立ちません。地域事情等を考慮しながら出店していますが、やはりエリア独特の癖はあります。その癖を考慮し、メニューに反映させていきながら利益を確保するには、売上データを分析する必要があります。これも長年お店を経営していれば感覚的に理解し、メニューやサービスに適時繁栄できるのかもしれませんが、通常の飲食店では、それを身につけるまでに閉店してしまいます。

また、うまく感じ取ることができないために、「お客様の言いなり運営」(お客様のあーした方がいい、こうした方がいい・・・という要望をそのまま受け入れ、結果的に利益を生み出せない店)に陥ってしまいます。そうならないために、IT技術を駆使して客観的に実数を把握し、経営に活かすことができるシステムを採用することは欠かせないのです。

 

労務管理システム。書類武装なくして、経営はできない

労務管理には、大きく2つの柱があります。

  1. 給与など雇用関係に関する帳票類の書類武装
  2. マニュアルや教育関係に関する帳票類の書類武装

経営者様としては、上記1・2の社内規則や教育マニュアルなどの書類武装をしなくてはなりません。これを持たずして経営者とは言えません。

しかし、こちらの資料を作成するには、膨大な作業が必要となります。就業規則1つ作るにしても、給与規定を作るにしても、マニュアルを作るにしても時間と専門知識が必要となり、中々着手しにくいのが現実です。そのため、書類がないままスタートしてしまいます。すると、ますます後回しとなり、後でトラブルに巻き込まれてしまうのです。これについては後回しにせず、早い段階で揃えておくようにしてください。

給与など雇用関係に関する帳票類の書類武装について

雇用に関する書類=オーナーを守ることに直結します。

給与など雇用関係に関する帳票類の書類武装について

昨今の雇用情勢では、残業時間や残業代が重要視されており、すぐに「あそこはブラックだ」などと世間でも騒がれることが多くなりました。アルバイトが店舗を訴えるようなケースも出てきています。このような場合、経営者は従業員から訴えられる立場となります。雇用契約書などの書類を用意せず、「給与だけ渡せばいいだろ!」というスタンスでは、従業員から残業代やオーバー労働などで訴えられてしまうのです。

また、そのような状況では他の従業員の働く意欲にもつながりません。人材の確保もしにくくなりますし、できるスタッフでも会社の未来が見えないために退職してしまいます。そこで、これに対抗するための書類を用意することを「書類武装」と呼んでいます。

弊社のFCパッケージでは、雇用に必要な資料一式をマスターデータとしてお渡ししております。さらに、そのデータの中には、飲食店ならではの勤務形態に合わせた給与形態や就業規則に関してのシステムやノウハウが織り込まれています。長年の経営経験を活かした資料一式ですので、初めての飲食事業でも、長年蓄積されたノウハウを織り込んだ規則を作ることが可能です。

飲食店の勤務形態は特殊で、社会保険労務士に頼んで制作しても経営の実情に合わせた書類はできにくいと言われており、自店にあっていないケースが多くあります。その点、弊社がお渡ししている資料は、書類内の会社名を「御社の店名や社名」に変更するだけで使えてしまうほどのものです。これであれば、作成に労力を使うことなく、スピーディに作成することができます。

こちらに、千串屋で使っている帳票類について記していますので、ご参考になってください。

人材管理・採用に関する帳票類はしっかり準備!